栗東の産廃処分場跡地問題:
「県の検査法不適切」
日本環境学会が意見書/滋賀
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栗東市小野の「RDエンジニアリング」社が管理する産業廃棄物処分場跡から許可品目外のドラム缶などが見つかっている問題で、日本環境学会廃棄物問題ワーキンググループ(座長、畑明郎・同学会会長)は23日、これまでの土壌検査などについて県の検査法は不適切とする意見書を発表した。
意見書は、
▽土壌調査時に105度、4時間の乾燥による前処理をしたのは、揮発性有機化合物だけでなく、ダイオキシン類や農薬なども一部揮発してしまう可能性がある。
▽ダイオキシン類濃度は目視での判断は不可能で、廃油などについても分析すべきだ。
▽地下水はSS(浮遊粒子)を含んだ全量を分析して水質を評価すべきだ――などと指摘している。
【森田真潮】
(平成18年3月24日毎日新聞朝刊より) |
市民の飲み水不安でいっぱい
RD処分場に埋められている有害物は特別な処理を必要とする危険なものが、そのまんまドラム缶に詰めて埋められた」と元従業員の方々が証言されています。昨年末に掘り出された物と場所はまさにその通りでした。
朽ち果てたドラム缶からは、工場から出たと思われる廃油が流れ出て、あたり一帯には鼻をつく揮発臭がたちこめ、穴底の褐色の水たまりには油膜が浮かんでいました。
こんな有毒なものが直接流れ込んでいる地下水を、栗東市は市民の飲料水として使っているのかと思うと不安で胸が締め付けられました。
(昨年のドラム缶掘削現場に立合った住民) |
安全確保には機敏な処置を
昨年11月、中国で化学工場が爆発し有害な化学物質が川に流れ出し、川からの取水が中止されました。川で濃度が薄くなったとしてもその毒性が飲料水には不適切であるとの判断からです。その物質はベンゼンで、RD処分場からもガスとして高濃度で出ています。地下水にも流れ出ているはずです。
RD処分場から空気中や地下水に出ている有害物にはごく微量でも発ガン性や胎児への障害を起こすものがあります。
ダイオキシンもそのうちのひとつで、発生原因となる焼却灰が大量に埋められていると証言されています。その場所も特定されているので、何としても除去させなければならない有害物です。 |