栗東民報

栗東民報 2006年4月号外

RD問題
違法な埋め立てと環境汚染の実態


RD社と滋賀県の責任を問う

RD社は「ゴム」「プラスチック」「コンクリート」「ガラス・陶器」の4品目しか埋めてはならない安定型処分場に、工場からの有害な廃液や灰などを入れたドラム缶(数千本)、アスベスト、医療系廃棄物、病院・薬品工場等からでた血液・検査廃液をそのまま処分場の穴の中に埋めていたのです。

今日までの県や市の調査で、処分場内外の地下水からダイオキシンや水銀、鉛などが高濃度で、猛毒の硫化水素が致死量の27倍も検出されるなど汚染は深刻です。

行政はこの事実をしっかり認識し、早急に有害物質除去の計画を立て、実施するべきです。
滋賀県はRD社に産業廃棄物の埋め立てを許可した責任者であり、監督権限を持つものとして、場内の有害物質除去をRD社にさせなければなりません。

栗東市は地下水を市民の水道水として使用する責任者として地下水汚染や環境汚染の防止に責任を持たなければなりません。




RD処分場から現われた強烈な臭いのある
真っ黒な油状の物質(2005.9)



ドラム缶105個と一斗缶69個が見つかる

ドラム缶の埋め立ては違法行為、中身は有害物質
   −このままでは汚染が止まらない―

昨年末に住民の強い声におされて、県はRD社に命じ、中身のつまったドラム缶と一斗缶を堀り出させました。これはRD社の元従業員の「ドラム缶などを数千本埋めたと」いう証言によるものです。これらの事実から、処分場周辺や下流域の地下水から検出されたダイオキシンや水銀などの有害物質の汚染源がいまだに場内に埋まっていると言えます。

ところが、RD社の社長は公式の場で「ドラム缶の埋め立てなど指示した覚えも、(社員からの)報告された記憶もない。知らないうちにやられた、私も被害者だ!」と発言。これは責任者として、とんでもない発言です。県は今までこのことを黙認してきたのです。県の行政としての責任は重大です。

このままほって置けば汚染は市内だけでなく、琵琶湖や京都・大阪の近畿一円の飲料水にまで広がっていく危険があります。
処分場ドラム缶拡大調査で
現われた多数のドラム缶(05.12)

住民パワーできれいな環境を取り戻そう!

日本共産党は皆さんと力を合わせて、
環境と飲み水の安全を守ります

かつて国松知事は全国一の解決をすると言われましたが、県は国の基準に基づかない、いい加減な検査方法で出したデーターで、「総じて問題なし」とか「許可品目以外のものは紛れ込んだものであって、違法ではない」「ただちに健康に害をあたえるものではない」などの結論を出し、市の調査委員会の専門の先生の意見を無視し、全く効果のない改善工事をして、覆土し終わらせようとしてきました。こういう県のいい加減な姿勢が解決を遅らせているのです。

3月末に県と市による対策協議会がつくられましたが、この協議会は助役や部長・課長級の行政レベルの協議会であることが3月の市議会で明らかになっています。

住民団体をメンバーに入れる様再三要求しましたが、全く聞こうともせず、行政が急いで立ち上げたのです。こういう姿勢で解決するいうのですから、とてもじゃないけど納得できるものではありません。

今まで県の「終息させよう」とする強い力があったにもかかわらず、ガス化溶融炉を撤去させたりやドラム缶を掘削させたことは住民のねばり強い運動があったからです。

水は人類だけでなく地球上の全生物の財産です。この水を守ることは行政の責務です。皆さん、解決目指して力をあわせましょう。住民パワーでRD社と県に責任をとらせましょう。


栗東の産廃処分場跡地問題:
「県の検査法不適切」
      日本環境学会が意見書/滋賀

栗東市小野の「RDエンジニアリング」社が管理する産業廃棄物処分場跡から許可品目外のドラム缶などが見つかっている問題で、日本環境学会廃棄物問題ワーキンググループ(座長、畑明郎・同学会会長)は23日、これまでの土壌検査などについて県の検査法は不適切とする意見書を発表した。

意見書は、
▽土壌調査時に105度、4時間の乾燥による前処理をしたのは、揮発性有機化合物だけでなく、ダイオキシン類や農薬なども一部揮発してしまう可能性がある。
▽ダイオキシン類濃度は目視での判断は不可能で、廃油などについても分析すべきだ。
▽地下水はSS(浮遊粒子)を含んだ全量を分析して水質を評価すべきだ――などと指摘している。       
                                【森田真潮】
(平成18年3月24日毎日新聞朝刊より)

市民の飲み水不安でいっぱい

RD処分場に埋められている有害物は特別な処理を必要とする危険なものが、そのまんまドラム缶に詰めて埋められた」と元従業員の方々が証言されています。昨年末に掘り出された物と場所はまさにその通りでした。

朽ち果てたドラム缶からは、工場から出たと思われる廃油が流れ出て、あたり一帯には鼻をつく揮発臭がたちこめ、穴底の褐色の水たまりには油膜が浮かんでいました。

こんな有毒なものが直接流れ込んでいる地下水を、栗東市は市民の飲料水として使っているのかと思うと不安で胸が締め付けられました。

(昨年のドラム缶掘削現場に立合った住民)

安全確保には機敏な処置を

昨年11月、中国で化学工場が爆発し有害な化学物質が川に流れ出し、川からの取水が中止されました。川で濃度が薄くなったとしてもその毒性が飲料水には不適切であるとの判断からです。その物質はベンゼンで、RD処分場からもガスとして高濃度で出ています。地下水にも流れ出ているはずです。

RD処分場から空気中や地下水に出ている有害物にはごく微量でも発ガン性や胎児への障害を起こすものがあります。

ダイオキシンもそのうちのひとつで、発生原因となる焼却灰が大量に埋められていると証言されています。その場所も特定されているので、何としても除去させなければならない有害物です。

ドラム缶の中身の調査で、
  またまた県の調査方法がズサン!


 大阪市大教授 畑明朗氏
   (栗東市調査委員会専門委員)が指摘

2006年12月末に掘り出したドラム缶や一斗缶の中身の調査を県がおこなったことについて、「その調査方法はとてもいい加減で、非科学的です。サンプルのとり方、調査項目の決め方など、すべてが理にかなっていないため、出てきたデーターは参考になりません」と指摘されています。
 栗東民報 2006年4月号外
 日本共産党栗東市委員会発行

  市会議員 ばば美代子
  市会議員 国松清太郎
  市会議員 太田ひろ美
  農業委員 三浦平次